ChatGPT や Google の AI 機能に自院の情報を正しく読んでもらうために、歯科医院が確かめることを20項目にまとめました。分野は、Googleビジネスプロフィール(6項目)・口コミ(3項目)・ホームページ(7項目)・ChatGPT(2項目)・確かめ方(2項目)の5つです。項目は Google と OpenAI の公式の説明から取り、それぞれに出典を付けています。
どの項目も「〜になっているか」の問いかけの形にしています。印刷して、1つずつ確かめながら使ってください。
「AI による概要」は Google 検索の結果に AI が作った要約が出る機能、「AI モード」はそれとは別の Google 検索の AI 機能です(くわしくは「Google AI Overviews とは」)。
AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。
出典:「AI 機能とウェブサイト」(Google 検索セントラル=Google がホームページの運営者向けに出している説明のサイト。2026年10月6日に確認)
そのため、20項目のほとんどは、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る医院の情報)とホームページの基本です。どの項目も、AIに紹介されることを約束するものではありません。
この記事の作り方
- 項目は、Google のヘルプと Google 検索セントラル、OpenAI のヘルプとクローラーの説明から取りました。公式ページの文をそのまま引くときは、近くに出典を付けています
- 「20院では」とある数字は、当メディアが2026年9月28日に福岡市の歯科医院20院を1院ずつ調べた結果です(「福岡市の歯科医院20院をChatGPTで調べた結果」)

Googleビジネスプロフィール(6項目)
Google は AI 機能に向けた基本の1つとして、「Merchant Center とビジネス プロフィールの情報が最新のものであることを確認します。」と書いています。Merchant Center は、商品を売る店が商品の情報を Google に登録する仕組みです。歯科医院で確かめるのは、Googleビジネスプロフィールのほうです。
- 医院名が、看板と同じになっているか。「インプラント」などのサービスや、駅名などの所在地を足していないかを見ます。Google のガイドラインでは、これらを名前に入れることは「不可」です
- 住所と、Googleマップ上の位置の印(ピン)が正確か。住所には、医院の名前の掲示を常設している必要があります
- メインのカテゴリが、いちばん具体的なものになっているか。20院では、16院が「歯科医院」、3院が「矯正歯科」、1院が「クリニック・医院・診療所」でした
- 診療時間と、祝日・年末年始の特別営業時間が入っているか。祝休日の営業時間が通常と同じでも、設定するよう Google は勧めています
- 電話番号・「ウェブサイト」欄・予約のリンクが、医院に直接つながるか。予約のリンクは、予約を完了できるページにつなぎます。20院では、予約のリンクがあったのは13院でした
- プロフィールの説明文に、診療内容と医院の特徴が書いてあるか。説明文には URL を入れられません。キャンペーンや特典を強く押し出す書き方も避けます。20院では、オーナーが書いた説明文があったのは10院でした
出典:「Google に掲載するビジネス情報のガイドライン」「ビジネス プロフィールを編集する」「特別営業時間を設定する方法」「ビジネスリンクに関するポリシーとガイドライン」(Google ビジネス プロフィール ヘルプ。どれも AI 翻訳を含む日本語ページ。2026年10月8日に確認)
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口コミ(3項目)
- 口コミを頼むときに、割引や無料の診療などのお礼を出していないか。口コミの投稿と引き換えにお礼の特典(Google の言葉では「インセンティブ」)を出すことは、Google が禁止しています
- 満足した患者だけを選んで、口コミを頼んでいないか。Google のポリシーでは「肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為」も禁止です
- 口コミに返信していて、その返信に投稿した人の個人情報を書いていないか。Google は、否定的な口コミに返信するときのヒントとして「クチコミ投稿者の個人情報を公開したり、個人的に攻撃したりしないでください。」と書いています。当メディアは、歯科医院の返信では診療の内容にも触れないことをすすめます。だれがどんな治療を受けたかが、ほかの人に伝わってしまうためです(これは Google の文ではなく、当メディアの考えです)。20院では、直近10件のうち1件以上に返信していたのは15院でした
出典:「禁止または制限されているコンテンツ」(Google マップのユーザー投稿コンテンツのポリシー)・「クチコミを増やすためのヒント」(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。どちらも AI 翻訳を含む日本語ページ。2026年10月8日に確認

ホームページ(7項目)
ここは、ホームページの制作会社に確かめてもらう項目です。この記事の項目番号を伝えて、1つずつ答えてもらうと話が早く進みます。
Google は「AI 機能とウェブサイト」で、AI 機能について「次のようなこれまでの SEO の基本は引き続き重要となります。」と書いています。SEO は、検索結果に出やすいようにホームページを整えることです。この文のあとに並ぶ基本をもとにしたのが、項目10〜15です。
- Google のクロールを止めていないか。クロールは、Google のプログラム(クローラー)がページを読みに来ることです。止める設定は、robots.txt(検索エンジンなどに読んでよい範囲を伝えるファイル)や、サーバー・CDN(ページを速く届けるために、ページの写しを各地から配る仕組み)にあります
- 大事なページに、ホームページの中のリンクからたどり着けるか。
- 患者にとって使いやすいページになっているか。Google の言葉では「ユーザーにとって優れたページ エクスペリエンス」で、ページの使い心地のことです
- 大事な内容を、画像だけでなく文字で書いているか。診療時間や料金を、画像の中にだけ書いていないかを見ます
- 文章を、写真や動画で補っているか。
- 構造化データを入れているなら、その中身がページに表示している文字と同じになっているか。構造化データとは、医院名や住所などを検索エンジン向けに書き添える目印です。Google のガイドには「生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。」とあり、すぐあとに「ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となるのに役立つため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします。」と続きます。リッチリザルトは、検索結果の表示を豊かにする仕組みです。Google の生成 AI 検索のためというより、検索結果の表示のために入れるものです。書き方は「歯科ホームページの構造化データ」で説明しています
- ページが Google に登録され、検索結果にスニペットが出ているか。スニペットは、検索結果でページ名の下に出る短い説明です。Google は、AI による概要と AI モードにリンクとして出る条件を3つ挙げています。インデックス(Google の検索の台帳)に登録されていること、スニペットが表示されること、検索の技術的な要件を満たすことです。そのうえで「これ以外に追加の技術要件はありません。」としています
出典:項目10〜14と16は「AI 機能とウェブサイト」(2026年10月6日に確認)。項目15は「Google 検索における生成 AI 機能に向けた最適化のための Google ガイド」(2026年10月15日に確認)

ChatGPT(2項目)
ここも、ホームページの制作会社に確かめてもらう項目です。OpenAI は、ページを読みに来るプログラムを用途ごとに分けています。OAI-SearchBot は ChatGPT の検索のため、GPTBot は OpenAI の AI の学習のためのプログラムです。どちらも、項目10と同じ robots.txt で止めたり許したりできます。
- robots.txt で、OAI-SearchBot を止めていないか。OpenAI のクローラーの説明(英語)には「Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers, though can still appear as navigational links.」とあります(訳:OAI-SearchBot を止めているサイトは、ChatGPT の検索の回答には表示されません。ただし、案内のためのリンクとしては出ることがあります)
- AIの学習に使われないよう GPTBot を止めているなら、そのとき OAI-SearchBot まで一緒に止めていないか。OpenAI のクローラーの説明では、2つの設定はそれぞれ独立しています。検索に出るために OAI-SearchBot を許し、GPTBot だけを止めることができます
出典:「Overview of OpenAI Crawlers」(OpenAI。英語のページ。訳は当メディア。2026年10月8日に確認)
確かめ方(2項目)
- 患者が聞きそうな質問を ChatGPT に聞いて、自院の名前と評価・口コミ件数が正しく出ているか。当メディアは2026年9月28日に、歯科医院についての5つの質問を ChatGPT に2回ずつ、計10回聞きました。名前が出た医院について回答に書かれた評価と口コミ件数は、Googleビジネスプロフィールと同じ数字でした。ただし、回答は毎回変わります。2026年10月8日に口コミについて聞いたときは、9月28日には1度も名前が出なかった20院のうち2院が、ChatGPT の回答に挙がりました(「歯科の口コミとAIの回答」)。1回で判断せず、日を変えて何度か聞きます。OpenAI のヘルプにも「検索結果や引用は、不完全、古い、または誤っている場合があります。」とあります
- ChatGPT からホームページに来た人数を、Google アナリティクスなどで見ているか。Google アナリティクスは、ホームページに来た人数や、どこから来たかを数える Google の道具です。ChatGPT は、回答に付けた引用元のリンクに「utm_source=chatgpt.com」という目印を付けています。当メディアが2026年10月2日に ChatGPT に質問したときも、引用元のリンクにこの目印が付いていました。この目印が付いた訪問を見れば、ChatGPT の回答から来た人数が分かります。Google の AI 機能から来た訪問は、Search Console(Google が出している、運営者向けに検索の数字を見る道具)の「ウェブ」の数字に含まれます
出典:項目19の OpenAI の文は「ChatGPT でウェブを検索する」(OpenAI ヘルプセンター。機械翻訳の日本語ページ。2026年10月8日に確認)。項目20の Google の話は「AI 機能とウェブサイト」
やらなくてよいこと
Google は「AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません。」と書いています(上の「AI 機能とウェブサイト」)。AIのためだけに、特別なファイルや目印を新しく作る必要はない、ということです。制作会社や対策の会社からそうした提案を受けたら、何のためのものかを確かめてください。
まとめ
- まず項目1〜6で、Googleビジネスプロフィールが実際の医院と同じかを確かめます。福岡市の20院では、予約のリンクと説明文で差が出ていました
- 口コミは、特典を出さず、患者を選ばずに頼みます
- ホームページと ChatGPT の項目10〜18は、制作会社に確かめてもらいます
- 最後に、ChatGPT の回答で自院がどう出ているかを見ます