歯科医院のホームページに「構造化データ」を入れるよう、制作会社や対策サービスの会社から勧められたことはないでしょうか。構造化データとは、医院名・住所・電話番号・診療時間などを、検索エンジン(Google などの検索の仕組み)が読み取りやすい形でホームページに書き込んだ目印です。
結論から書くと、歯科医院なら種類を Dentist にし、医院名と住所を必ず入れます。入れたあとは、Google のリッチリザルト テストで読み取れているかを確かめます。この記事では、この書き方と確かめ方に加えて、当メディアが福岡市の歯科医院20院のホームページを調べた結果を紹介します。
構造化データとスキーマ
構造化データの書き方の決まりは、schema.org(スキーマ・ドット・オーグ)というサイトにまとめられています。この決まりを「スキーマ」と呼ぶこともあり、歯科医院のための種類が Dentist です。
Google は、ローカル ビジネスの構造化データで、営業時間などの医院の情報を Google に伝えられると説明しています。リッチリザルト(検索結果に、医院の詳しい情報が付いて出る表示)の対象になるためにも使われます。ただし、Google は「構造化データが検索結果に表示されるとは限りません。」とも書いています。
出典:ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データ・構造化データに関する一般的なガイドライン(Google 検索セントラル。どちらも2026年10月8日に確認)

歯科医院の構造化データの書き方
Google の説明(上の「ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データ」のページ)と、schema.org の Dentist のページから、歯科医院で押さえる点は4つです。
- 種類は Dentist にします。Google は「できる限り具体的な LocalBusiness サブタイプ(Restaurant、DaySpa、HealthClub など)を使用してください。」と書いています。サブタイプとは、より細かい種類のことです。schema.org では、Dentist は LocalBusiness(地域で営業する事業所)の一種と定義されています。Google の説明のページには、Dentist や歯科の語は出てきません。
- 医院名(name)と住所(address)は必ず入れます。Google は、この2つを「必須プロパティ」(必ず入れる項目)としています。住所について Google は「指定するプロパティが多いほど、表示される検索結果の質が高くなります。」と書いています。郵便番号・都道府県・市区町村・番地のように、住所の項目を分けて書きます。
- 電話番号は国コードから書きます。Google は「電話番号には、必ず国コードと市外局番を含めてください。」と書いています。日本の番号なら「+81」から始めます。
- 評価(aggregateRating)と口コミ(review)は入れません。Google は、この2つを「このプロパティは、他のローカル ビジネスを収集するサイトにのみ推奨されます。」と書いています。ほかの医院の情報を集めて載せるホームページ向けの項目なので、自院のホームページでは使いません。
書き方の例(制作会社に渡す部分)
ここから下のコードは、ホームページの制作会社や更新の担当者に渡す部分です。医院の方は読み飛ばしてかまいません。
例の医院名・住所・電話番号・座標(地図上の位置を表す緯度と経度)は架空の値です。曜日に木曜と日曜が無いのは、木曜と日曜を休診日とした例だからです。
コードは、ホームページの HTML(ページの中身を書いた元の文書)に書き込みます。<script type="application/ld+json"> で囲むこの書き方を JSON-LD と呼びます。Google は「LocalBusiness 構造化データはサイト上の任意のページに追加できますが、ビジネスに関する情報を含むページに配置するほうがよい場合もあります。」と書いています。どのページに入れるかは、制作会社と相談して決めます。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Dentist",
"name": "〇〇歯科医院",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "博多駅前0-0-0",
"addressLocality": "福岡市博多区",
"addressRegion": "福岡県",
"postalCode": "812-0000",
"addressCountry": "JP"
},
"telephone": "+81-92-000-0000",
"url": "https://www.example.com/",
"geo": {
"@type": "GeoCoordinates",
"latitude": 33.59123,
"longitude": 130.42123
},
"openingHoursSpecification": [
{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday", "Tuesday", "Wednesday", "Friday"],
"opens": "09:00:00",
"closes": "18:00:00"
},
{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": "Saturday",
"opens": "09:00:00",
"closes": "13:00:00"
}
]
}
</script>
- 座標(geo)の緯度と経度について、Google は「精度は小数点 5 桁以上にする必要があります。」と書いています。
- 診療時間(openingHoursSpecification)の時刻は、Google の説明に沿って「hh:mm:ss 形式」(例:09:00:00)で書きます。
- 書いた内容は、ホームページに表示している医院名・住所・診療時間と同じにします。Google の構造化データのガイドラインは、表示されない理由の1つに「構造化データで参照されるコンテンツがユーザーに表示されないコンテンツです。」を挙げています。構造化データにだけ書いて、ページの画面には出していない内容があると、表示されないことがあるという意味です。
ホームページを WordPress などの CMS(ホームページを作って更新する仕組み)で作っている場合は、プラグイン(あとから足せる機能)を使う方法もあります。Google の説明には「CMS をお使いの場合は、CMS に統合されているプラグインを使用する方が簡単な場合もあります。」とあります。制作会社に頼む場合は、上の「書き方」の4つの点を伝えると話が早く進みます。
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入れたあとの確かめ方
Google の説明には「リッチリザルト テストでコードを検証し、重大なエラーを修正します。」とあります。テストで重大なエラー(直す必要がある誤り)が出たら直す、という意味です。
- リッチリザルト テストで調べます。リッチリザルト テストは、Google が用意している確認の道具です。ホームページの URL を入れると、医院の情報が読み取れていれば「地域のお店やサービス」と表示されます。
- Schema Markup Validator でも調べます。Schema Markup Validator は、構造化データの中身を一覧で見られる確認の道具です。入っている種類(Dentist など)が分かります。
- URL 検査ツールで、Google がページを読めるかを確かめます。URL 検査ツールは、Google でページがどのように表示されるかを確かめる Google の道具です。Google の説明には「Google がページにアクセスでき、robots.txt ファイル、noindex タグ、ログイン要件によってページがブロックされていないことを確認します。」とあります。robots.txt は検索エンジンに読まないページを伝えるファイル、noindex タグは検索結果に出さないページに付ける目印です。こうした設定で、Google がページを読めなくなっていないかを見ます。このツールの使い方と、使うために必要な準備は、ホームページの制作会社に確かめてもらいます。
テストでは、「重大ではない問題」が出ることもあります。Google は、重大ではない問題の修正について「構造化データの品質向上に役立ちます(ただし、リッチリザルトの対象となるために必ずしも必要というわけではありません)。」と書いています。
出典:ローカル ビジネス(LocalBusiness)の構造化データの「構造化データを追加する方法」(Google 検索セントラル。2026年10月8日に確認)

福岡市の20院のホームページを調べた結果
当メディアは2026年9月28日、福岡市の歯科医院20院のトップページを、リッチリザルト テストと Schema Markup Validator の2つのツールで調べました。ツールによって数え方が違うため、ツールごとの院数を並べます。
| 調べた結果 | リッチリザルト テスト | Schema Markup Validator |
|---|---|---|
| 構造化データが入っていた院 | 13院 | 13院 |
| 医院の情報を表す構造化データ(Dentist・LocalBusiness など)が入っていた院 | 9院 | 8院 |
| 種類が Dentist だった院 | ― | 5院 |
| 構造化データが見つからなかった院 | 7院 | 7院 |
2行目の院数は、1行目の13院の中の数です。リッチリザルト テストでは「地域のお店やサービス」と表示された院を数えました。このテストの記録には種類の名前が無いため、3行目は Schema Markup Validator の結果だけです。
リッチリザルト テストで医院の情報が読み取れた9院のうち8院では、「重大ではない問題」が出ていました。
20院のうち、ChatGPT の回答に1回でも名前が出たのは6院です。この6院には、どちらのツールで見ても、医院の情報を表す構造化データがありました。ただし、ChatGPT の引用元(答えの根拠として示されたページ)に、20院のホームページは1つも出ていません。構造化データがある院も無い院も同じで、構造化データと名前が出たことの関係は、この調査からは分かりません。くわしくは「福岡市の歯科医院20院をChatGPTで調べた結果」で説明しています。
出典:当メディアが2026年9月28日に調べた結果です(福岡市の歯科医院20院のトップページ。ChatGPT には5つの質問を各2回)。
Google の生成 AI 検索と構造化データ
Google は、Google 検索の生成 AI の機能に向けたガイドで、次のように書いています。
生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。追加する必要がある特別な schema.org マークアップもありません。ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となるのに役立つため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします。
出典:「Google 検索における生成 AI 機能に向けた最適化のための Google ガイド」(Google 検索セントラル。2026年10月15日に確認)
マークアップとは、構造化データを書き込むことです。Google が書いているのは、Google 検索の生成 AI の機能のことです。ChatGPT など、ほかの会社の AI については書かれていません。Google が構造化データを勧めている理由は、Google 検索のリッチリザルトの対象になるのに役立つことです。
まとめ
- 歯科医院の構造化データは、種類を Dentist にし、医院名と住所を必ず入れます。電話番号は「+81」から書きます
- 評価と口コミの項目は、自院のホームページでは使いません
- 書いた内容は、ホームページに表示している情報と同じにします
- 入れたら、リッチリザルト テストと Schema Markup Validator で確かめます。URL 検査ツールの確認は制作会社に頼みます
- Google は、Google 検索の生成 AI の機能に構造化データは要らないとしつつ、検索結果の詳しい表示のために使うことは勧めています
- 福岡市の20院では、医院の情報を表す構造化データがあったのは、リッチリザルト テストで9院、Schema Markup Validator で8院でした